業績は安定し、組織も大きな問題なく回っている。しかしながら、成果が出ているからこそ、組織の在り方が更新されないまま、固定化してしまうことがあります。

ふと小さな不安がよぎることはあっても、今はそれなりにうまくいっている。目の前には対応すべき業務や課題が積み重なり、これ以上、新しいテーマを増やしたくないという思いもあるかもしれません。その「小さな不安」は、課題解決というよりも、次の成長に向けた「質」を問い直すサイン。だからこそ、社員一人ひとりが「ブランド」になるという考え方が注目されているのだと感じます。

個人の強みが、経験値として属人化しているため、「仕組み化したい」「横展開したい」。ところがなかなか思うように進まない、そんな声を多く耳にします。

結局は「人」なのだ、と感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。人が変われば、同じようには進まない。成果を出している人のやり方ほど、簡単には真似できない。それは、組織を見てきたからこそ抱く、ごく自然な実感です。

多くの場合、成果の背景には、その人ならではの価値観や判断基準、そして積み重ねてきた経験があります。「人に依存しない組織」を目指すより、人が変わっても、その人らしい力が自然に発揮される組織を考える必要があるのではないかと思うのです。

STERAUMの研修等で大切にしているのは、個人の強みを均一化することでも、成功事例をそのまま横展開することでもなく、一人ひとりの「在り方」を、色や言葉を通して共有可能な形に整えていくことです。色は、感覚的でありながら、実はとても論理的なコミュニケーションツールです。属人的になりがちな価値観や判断軸を、理解しやすい共通言語へと変換してくれます。

人に左右されることは、避けられないからこそ、管理する仕組みではなく、自分の役割を理解できる環境づくりへ。社員一人ひとりが「ブランド」になることは、誰かを際立たせることではなく、組織として大切にしている在り方を、誠実に共有していくことだと考えています。