先日、高校生の卒業制作展を見て、改めて「伝える力」を学ぶ教育について考えました。

訪れたのは、息子の友人が通う工芸やデザインを学ぶ高校の卒業制作展です。生徒たちが自分の作品を「どう伝えるか」、しっかり考えられており、展示を見ていた息子は「こういうこと、うちの学校ではやらないなぁ、でも、大事なことだよね」と、軽い衝撃を受けていました。

アートに興味がある生徒が、その分野を深く学ぶ。それが専門高校の役割なのだと思います。しかし同時に、こんな疑問も生まれました。「この学びは、アートを目指す生徒だけに必要なのだろうか?」

前述の高校では、VI(ビジュアル・アイデンティティ)をはじめ、ブランディングの考え方に触れる機会があります。ブランディングというと、ロゴやデザインなど“見せ方”のイメージを持たれることが多いかもしれませんが、
・自分たちの特徴は何か
・他との違いはどこにあるのか
・誰にどんな価値を届けたいのか
といった考えを整理するプロセスであり、デザインだけでなく物事を構造的に考える力や、相手に伝える力にもつながります。

また、この思考は、学生のキャリア形成にも応用できます。例えば、
・自分の強みは何か
・どんな価値観を大切にしているのか
・社会の中でどのように力を発揮したいのか
これらの問いは、就職活動の自己PRや志望動機だけでなく、自分のキャリアを考える上でも重要なテーマです。

大学のキャリア支援の現場でも、「自分の強みをうまく言葉にできない」という学生の声は少なくありません。ブランディングの思考は、自分の経験や価値観を整理し、言葉にするための一つのフレームとして活用することができます。
<キャリア教育×ブランディング>
・自分の価値を整理する
・社会との関係を考える
・自分の言葉で伝える
といった、主体的なキャリア形成につながる学びが生まれてきます。

卒業制作展で見た高校生たちの姿から、「伝える力」を育てる教育の重要性を改めて感じた出来事でした。