公益社団法人東京しごと財団様で講師をさせていただくようになってから9年目。
当時、カラーコーディネーター講師を多く担当していたのですが、「就活と服装(カラーコーディネート)の講義は面白いと思う、前例がないので採用が難しいかもしれないけどプレゼンしてみない?」と知人から連絡をもらい面談の機会をいただきました。
担当部長は『面白い!やってみたいですね。お分かりの通りお堅い組織ですのでどうなるか分かりませんが企画を挙げます』と興味を持ってくださり、数ヶ月後に開催が決まりました。

私にとっては大きな挑戦でした。
それまでカラーや服装に興味がある方を対象とした講座が中心でしたので、就活を成功させる目的の方はどのような属性なのか?手探りでスタートしました。ネガティブな事は忘れるくらいたくさんありましたが、ポジティブな事だけを記載すると、真新しさで多くのお申込みをいただき満員御礼。大会場100名超えの講座も実施、講座の見学や他からのオファーもいただきました。

門戸を開いてくださった私の知人と、当時の担当部長には感謝でいっぱいです。

最近は、ルッキズム(外見重視主義)の考え方もあり、外見や見た目の良し悪しや視覚的な印象で価値を決めることへの社会的問題などにより消極的になっています。

個人的には、誤解が生じていると感じる部分もあります。就活の講座では、服装・カラーコーディネートはファッションではなく、ビジネスマナー・身だしなみのカテゴリーです。
いつも受講生の皆さんに質問しているのは、
・お会いして感じが良いなと思うのは、どのような人ですか?
・一緒に働きたいなと思うのは、どのような人ですか?

TOP3は『清潔感のある人』『笑顔の素敵な人』『明るい人』
視覚的な印象から抱く回答が多いことも事実で、参加者講座満足度も95-100%です。

しかしながら、自尊心の低下、健康リスク、差別や不平等の助長などルッキズムが及ぼす社会的影響は深刻な面もありますよね。
私自身、自分の外見を見るのも嫌だ…. と思う時もありますし、自分を奮い立たせて人前に出ることもあります、ただ昔に比べて自己受容できるようになったと感じます。色彩心理学やカウンセリング、コーチングスキルを学びましたが、自分で自分のケアが完璧にできるかというとなかなか難しい面もあり、どんどん専門家にも頼りました。友人が勤務する心療内科に行ってみたこともありますが、思っていたのとは違いました。(海外ドラマでよく見るカウンセリングのイメージを抱いてました!)
人間なので合う合わないの波長もありますし、その時の自分の状況などで対処方法は変えています。

コラムニスト天野祐吉氏の言葉に『外見は一番外側の中身』という言葉があるように、20年の経験を通して、服装やカラーは外見だけでなく内面(メンタル)とも深い関係性があると私は感じています。