階段を降りると、レトロな空間が広がりタバコの煙が漂う。
そこは、カウンターのみの珈琲専門店。

客は、それぞれのタイミングでやってきて
カウンターという一見距離が近く感じる場所で
自分だけの時間を楽しんでいる。
– 騒つき、静寂、BGM、豆を引く音、呟き、話し声 –

「お代わりくれる?この珈琲おいしいね」と客。
「そうよ、美味しいのよ」とマスター。

「僕は白のカップ、彼女は菊の花にしてあげて」
微笑む彼女とマスター。

「決められない性格だから、マスターが選んでくださる?」
「薄いブルーはどうかしら」

小さなコミュニケーションが折り重なっている場所。
ほど良いとはこのことかも。
煙は得意ではないけど、何度も行きたくなる。