初めての海外旅行は19歳の冬、父とアメリカへ。ケンカしてふてぶてしい表情の私が、写真の中にいます。
父は留学した経験はないものの大学時代に独学で英会話を習得した努力の塊のような人です。
祖父は知恵が回る人で、立ち上げた家具屋を拡大し多くの職人さんが住み込みで暮らす環境で私は生まれ幼少期を過ごしました。
少し遡り、明治時代に渡米した曽祖父は現地でビジネスを成功させ、花嫁探しに一旦帰国したものの、結婚した妻が渡米を拒否したことで日本に帰国し夫婦で薬屋を始めたそうです。驚くことに、日本でのビジネスは妻の方が商才があったとか。
母方の実家も自営業、親戚も自営業が多く、また商店街で育ったので会社員の家庭は遠い存在でもありました。
逆に会社員への憧れもあり、私は大学卒業後に企業へ就職しましたが、弟は大学院卒業後に実家の家業を継ぐ自営業の道へ。経験と勘とご縁で事業を拡大していく家族に「え?どういうこと?」と当時は不思議でなりませんでした。
成功の秘訣はなんだったのだろう、と思い返してみると『人とのご縁を大切に、諦めずにやり続ける、とにかく明るい(母が)』ではないかと思います。子供から見ても大変なことの方が多い(多いように見えた)自営業ですが、私にはとても真似できない素晴らしい両親とご先祖さまです。
ご縁あって、私自身カンボジアへは10回以上渡航しています。
『今日幸せならそれでOK』のスピリットに慄きました。例えば、食糧難で1人あたり5個のおにぎりを配布されたとします。私は、次の配布がいつになるか不明なので、少しずつ食べます(腐らない程度に笑)。カンボジアの人は『今日お腹いっぱい食べるけど、明日のことはまた明日考えよう』と、とっても幸せそうに笑ってるんです。
何が正解かそうではないか、ではなく、自分にとって何が幸せなのか、を世界と日本を通して考えるきっかけになりました。日頃、家事や育児、仕事のルーティンがあって同じような行動を繰り返している私がいます。当たり前の毎日を過ごせる幸せに感謝しながらも、未知の世界への挑戦をし続けるわたしでいたいと思っています。