5年前のある日、私は、東京メトロ丸の内線/本郷三丁目駅で下車し目的地のビルへ歩いて向かっていました。目的地まであと100メートルほどのところで突然の豪雨!濡れながら近くのビルへ駆け込みエントランスで雨宿り。当面止みそうにない雨を見ながらボーッとしていると、傘を持った一人の女性がこちらへ向かって手を振っています。

「お迎えかな?」と思って後ろを振り向くと、誰もいない。誰に手を振っているのだろう?と思っていると『あなただよ、ほら、困ってるでしょ、傘』とビニール傘を私に。
『え?私ですか?』と困惑している私に『そうだよ、ほら、傘使いなさい。さっき私、ここを通ったのよ、あなた傘なくて困ってそうだったから、私、家から傘持ってきたよ、早く、使いなさい』と積極的に傘を持たせてくれる肝っ玉母さん風の女性。

でも、でも、とマゴついてる私に『返さなくていんだからね。うちにはいっぱいあるのよ、ほら早く!』と若干キレ気味に傘を渡し、『ありがとうございます!!』と言う私に背を向けたまま手を振り去っていきました。

私だったら、ここまでするかな? 私はここまでしたことないな……. 。

本来は、傘をくださった肝っ玉母さん風の女性にお礼をするべきですが、叶わないので、恩送りしよう!と決めました。
時に、余計なことしないでくださいと言われることもありますが笑、
無理のない範囲で、いまだ!と思ったときに、誰かの役にたつ行動をすることが私にとっての恩送り.

5年前の雨の日、恩送りを強く意識するきっかけとなった忘れられないエピソードの1つです。