「6歳児は世界のどこでも同じようだけれど、12歳になる頃には、日本の子どもは“日本人”になっている」
山﨑エマ監督の長編ドキュメンタリー映画『小学校 〜それは小さな社会〜 』のメッセージに、私はその真相を知りたくなりました。短編バージョン『Instruments of a Beating Heart』は、『The NewYork Times』の動画配信サイト「Op-Docs」で配信され世界で注目されました。 *映画の詳細はこちらから
この映画では、日本特有の特別活動(TOKKATSU)に焦点を当て東京都内の公立小学校の教育現場を1年間で約700時間(監督が現場で過ごしたのは4,000時間)撮影を行なったそうです。実際に映画では、生徒の集団生活の様子を追っています。
特別活動とは、教室の掃除、給食の配膳、日直や学級活動、体育祭・遠足などの学校行事、クラブ活動、委員会などことで、日本の公立小学校に通った私には当たり前の活動です。
*参照
文科省学習指導要綱『生きる力』第6章「特別活動」
政府広報オンライン『日本の学校の自治と協働文化で育まれる社会性』
海外10カ国から来日した特別活動に関心があるJICA研修員との交流会JICA東京で開催され参加してきました。映画上映・山﨑エマ監督トークセッションの後にワークショップがありましたが、特別活動は海外から見ると大変珍しい取り組みであり、皆さまから質問攻めでした。
中でも印象的だった質問は、『教員は子どもたちのメンタルケアまでしているが、日本で教員になるために一体、幾つの資格が必要なのか?』
私は、教員が全てを担うことは普通であり、オールマイティに仕事をこなさなけれならない職業だと思っていました。しかし、海外からの視点で見た意見を聞いていると、当たり前ではなく、また教員の業務負担になっていることもよく分かりました。
昨年通っていた ソーシャル・イノベーション・スクールでの中間課題、卒業課題は、学校教育現場の課題に取り組んだのですが、現役教員の方々と果てしない課題の山に取り組み、何が正義なんだろう…と答えが見つからない状況にみんなで頭を抱えたことを思い出しました。
教育のお仕事に関わらせていただいている立場として、一つずつ丁寧に向き合っていきたいと改めて感じました。
