『幼少期、ハレの日の洋服はオーダーメイドでした。』
と聞くと贅沢な印象を抱く方も少なくないと思います。
我が家の場合は、商店街に住んでいたこと(仕立て屋、生地屋が近所にある)母が独身時代にドレスメーカー専門学校の講師だったことから、オーダーメイドに特別感がなかったようです。仕事が忙しい母にとっては、オーダーの方が楽な訳です。
小学生時代のピアノの発表会、私はオーダーワンピースが嫌で嫌で、トイレでコソッに着替えて私服で舞台に登場。当然怒られました。
仕事でカンボジアへ行くようになると、オーダーメイドのお店が多いことに驚きました。服、鞄、靴などのお店がマーケットに集中しています。女性は家事育児をしながら在宅でできる仕事を望むので、見様見真似でミシンがけをしている女性も。専門学校へ行った訳でもないのに上手に仕立ててくれる方もいらっしゃいます。
最初の洋服オーダーは、カンボジアの首都プノンペンにあるセントラルマーケット。
*セントラルマーケットは、まだフランス領だった1937年に建設されたプノンペン最大規模のマーケット。フランスの巨匠ル・コルビュジエの影響を受けたカンボジアの著名な建築家ヴァン・モリヴァン氏が建築したアーチ型のデザインがとても素敵です。彼はクメール近代建築を牽引し、オリンピックスタジアムや独立記念塔などを手がけています。
ネットで調べて評判良いお店に行き、ワンピースとブラウスをお願いしました。2着で生地と仕立て代込みで約6,000円(2018年)、十分な縫製で満足でしたが、ブラウスは背中のファスナーが上下反対で一人で着用することができず笑
こういうミスがカンボジアらしくて面白いです。


世界遺産アンコールワットで有名なシェムリアップでは、カンボジア人の友人が紹介してくれたお店でシルクワンピースをオーダー。生地込みと仕立て代+2日で仕上げてもらうエクスプレスにも関わらず50ドル(2024年)、それはそれは素晴らしい仕上がりで大満足です。
日本の丁寧さと比較すると課題はたくさんありますが、オーダーの良さを実感する体験でした。
最近、「着たいなぁ」と思うデザインの洋服が見つかりにくくなりました。気に入っている20年前のお洋服を修理に出すと17,000円という衝撃の金額。靴や鞄もそうですが、もう修理できないケースも多いですよね。世の中、有り余るほどの洋服で溢れているのに、好きな服・着たい服が見つからない葛藤。このような気持ちをお持ちの方いらっしゃいますか??
カンボジア女性たちのキャリアになるオーダーメイドビジネス、近い将来取り組みたいです。