傘を持ち歩きたくないが故、なるべく濡れずに移動できるルートを探します。雨予報よりも先に行動すべく、予定より早く自宅を出ることもあります。
ある日、一瞬の雨間に傘を持たず飛び出したところまでは良かったのですが、到着した駅は土砂降り。
走って走って途中のビルで雨宿り。こんな日に限ってハンドタオルが極小サイズ。ビルの中に入りエントランスで立ち尽くしたまま、止むまで待つ覚悟を決め、ボーっと外を眺めていました。
外から一人の女性が手を振っています。後ろを振り返っても誰もいないのですが、私の知人ではありません。無視気味にボーっとしていると、女性はエントランスをくぐりこちらに向かって何か喋っています。
「傘、この傘あげるから、ほら、持っていきなさい」え?私ですか?戸惑いながら「大丈夫です、止むまで待ちますから」
女性は強い口調になり「買い物の帰りにこの前を通ったら、あなた困ってそうだったから、自宅から傘を持ってきたの。うちはたくさん傘があるのよ、だから、この傘はあなたにあげる。持っていきなさい」
外国の方で、ぶっきらぼうな少しカタコトの日本語に優しさを感じでじーん。
「傘、ありがとうございます!大切に使います!」という私に、踵を返し颯爽と帰っていく女性。
誰かに親切にしていただいた時は『恩送りする』と決めているので、誰か困ってる人はいないかーとギラギラ。帰りの電車で私の前に座っている小学生がキッズスマホを見ながら「あぁどうしよう」とつぶやくので「どうしたの?」と聞くと
「違う電車乗っちゃった!四ツ谷三丁目に行きたいのに」 ん?ん?ん?
「あら、私もそっち方面だからこの電車で大丈夫よ」と言いながらサインを確認すると…..
逆の方向に向かってるー!! またまた助けていただきました。感謝